Philosophy

人生・仕事の結果 = 考え方×熱意×能力

人生や仕事の結果は、 考え方と熱意と能力の三つの要素の掛け算で決まります。 このうち能力と熱意は、それぞれ零点から百点まであり、これが積で掛かるので、能力を鼻にかけ努力を怠った人よりは、自分には普通の能力しかないと思って誰よりも努力した人の方が、はるかにすばらしい結果を残すことができます。これには考え方が掛かります。考え方とは生きる姿勢でありマイナス百点からプラス百点まであります。考え方次第で人生や仕事の結果は百八十度変わってくるのです。そこで能力や熱意とともに、人間としての正しい考え方をもつことが何よりも大切になるのです。

この「考え方」とは、「人生を歩いていくための方向」みたいなものだと考えればいいと思います。 これは、東西南北というような全方向を言うのではなく、水平線の方向、つまり、ゼロを基点にしてプラス側に百、マイナス側に百、というような方向です。人生、どっちへ向かって歩いてもいいと考えられるかもしれませんが、そうではなく、人生の方向というのは一直線になっていて、プラスに向いて歩くか、マイナスに向いて歩くかという、単純な二方向しかないのです。自分の考え方がプラス側に十なのか、五十なのか、あるいは百なのか、それともマイナス側に十なのか、百なのか、それがポイントになるわけです。この方程式は掛け算になっていますから、例えば頭が優秀で運動神経も発達し、たいへん高い能力の持ち主が、熱意を持ち、誰にも負けない努力をしているとします。ところが、その人がもし、ちょっとでもマイナスの考え方をもっていたとしたら、掛け算ですから、答え、つまり人生の結果は大きなマイナスになってしまうのです。

方程式の中の「能力」 を 「才能」という言葉で言い換えることもあります。よく「才に使われるな」と言います。才能のある人はつい才気走り、そのために才能におぼれてしまいがちですが、才能に使われていたのでは、とんでもないことになってしまいます。才能を使うのは 「心」 です。心が自分の才能を動かしていかなければなりません。心を失い、才能だけ、商才だけがあるという人は、「才子才に倒れる」と言われるように、必ず失敗します。その意味でも「心」あるいは「考え方」というものはたいへん大事なのです。しからば、この方程式で言っている「考え方」とは何なのか。それは、「哲学(フィロソフィ)」という意味でもありますし、今の話のように「心」といっても構わないでしょう。または、「思想」 「理念」 「信念」 などと置き換えてもいいでしょうし、あるいは人間 の「良心」といってもいいかもしれません。そういうものを総じて「考え方」と呼ぶわけです。先ほど、「考え方」はゼロを基点にしで、プラスの方向に百まで、マイナスの方向に百までと、一直線になっていると言いました。では、プラスの方向とは何なのでしょう。それを難しく考える必要はありません。プラスの方向とは「良い心」なのです。逆に、マイナスの方向とは「悪い心」です。つまり、先ほどの方程式は「良い心×熱意×能力」といった方がわかりやすいのかもしれません では、「良い心」とは何なのか。本当は、哲学者などが「良い心」の定義を示してくれればいいのですが、残念なことにそのような定義は今のところありません。そこで、不十分かもしれませんが、「良い心」というものを今から挙げていきます。まず、常に前向きで、建設的であること。みんなと一緒に仕事をしようと考える協調性を持っていること。明るいこと。肯定的であること。善意に満ちていること。思いやりがあって、優しいこと。真面目で、正直で、謙虚で、努力家であること。利己的ではなく、強欲ではないこと。「足る」を知っていること。そして、感謝の心を持っていること。「良い心」とは、今言ったようなことを全部持っている心だと考えます。

つまり、「ダッハランドフィロソフィ」とは良い方の考え方を説明しているのです。その良い方の考え方を端的に言えば、今述べたような言葉になります。その反対に、持ってはならない悪い考え方、つまり、「悪い心」とはどういうものかといいますと、今挙げた良い心の対極にくるものです。同じように一つ一つ挙げていきます。後ろ向き、否定的、非協調的。暗く、悪意に満ちて、意地が悪く、他人を陥れようとする。ふまじめで、嘘つきで、傲慢で、怠け者。利己的、強欲、不平不満ばかり。 人を恨み、人を妬む。こういったものが悪い心、悪い考え方です。

また、中村天風さんは、次のように言っておられます。「自分には輝くような未来が待っているのだ、すばらしく明るくて、幸せな人生が開けていくのだと、それをただ一点、建設的に、ポジティブに、前向きに思い、明るく人生を考えなさい。決して陰々滅々とした暗い思いを持ってはなりません」天風さんが開かれた天風哲学はたいへん深遠なものですが、われわれ凡人に対しても分かりやすいように、「明るく前向きに考えていきなさい」と、単純な言葉で論しておられます。また、『陰隲録』 という中国の書物の中に、「人生はあらかじめ決まっているものではない。確かに人間には運命というものがあるかもしれないが、それは宿命ではなく、変えようと思えば変えられるのだ」その説明として、袁了凡という人が善きことを思うように心掛けたら、運命が良い方向に変わっていった、人さまに善かれかしと思い、そう過ごすことによって、すばらしい人生をおくるようになった、という話からも、「考え方」とはたいへん大事なものであり、それが自分の人生、運命を決めるのです。生涯、この人生方程式を信じ、そして実践していただきたいと思います。そのためにも、以下の「ダッハランドフィロソフィ」 をしっかり学んで下さい。

そして、この「ダッハランドフィロソフィ」を知識として「知っている」だけでは意味がありません。行動が伴っていなければならないのです。知識として得たものを「血肉化」する、つまり、自分の肉体にしみ込ませ、どんな場面でもすぐにその通りの行動が取れるようにならなければいけません。すなわち、正しい考え方を「知っている」だけでは、知らないのとまったく同じことなのです。自らの血肉とし、人生の節々において、また、日々の業務においてその考え方を生かすことができなければ、まったく価値はないのです。ダッハランドがいつまでも素晴らしい会社であり続けるために、そしてダッハランドの皆さんが素晴らしい人生を歩んでいくためにも、この「ダッハランドフィロソフィ」を体得し、実践していくことが何よりも大切です。以下60項目の「ダッハランドフィロソフィ」の内容を何度も反芻し、「血肉化」していくように努めていただきたいと思います。

1. 生きがいや働きがいを求める

ダッハランドの企業理念にある「働く仲間の幸せ」とは経済的な安定や豊かさを求めていくとともに、仕事の場で自己実現を通して、「生きがいや働きがい」といった人間としての心の豊かさを求めていくものです。私たちは常に企画力を磨き、次々に素晴らしい製品・サービスを世に送り出すことによって生活者の生活品質の向上を図ることにより、暮らしや社会の発展に貢献していくのです。また同時に会社として利益を上げ続け、多くの税金を収めることなどを通じて社会に還元することにより豊かな社会創りに貢献するのです。今後もこうした目的を果たしていくために私たちは自らの力で、ダッハランドを更に発展させ続け、社員一人一人が安心して将来を託せる社会にしていかなければなりません。

2.誰にも負けない努力をする

「人生・仕事の結果 = 考え方×熱意×能力」という方程式で、大事なのは 「考え方」だけではありません。「能力」は、それぞれが持って生まれたものですから、ダッハランドの皆さんが今さらいくら頑張っても飛躍的に伸びるわけではありません。しかし、「熱意」は自分自身の意思で決められます。皆さんは「誰にも負けない努力」をしていますか。多くの人は、「私は努力をしています」 と言いますが、努力をしているなんて、あなたがそう思っているだけのことかもしれません。誰にも負けない努力をするというのは、非常に厳しいことです。「周りを見てごらん。あなたが寝る時にも、まだ起きて頑張っている人がいるじゃないか。あなたも負けずに頑張りなさいよ。そのくらい頑張らなかったら、仕事というものはうまくいくものではありません」。つまり、これが誰にも負けない努力ということです。誰にも負けない努力、それは「熱意」です。これは本人の自覚で決めることができるのです。

3.心を浄化し人格、人間性を磨く

「心」とは、「考え方×熱意×能力」という人生の方程式にある「考え方」と同じです。「熱意」も心の所産ですから、人生の結果、仕事の結果を表すこの方程式から見ても、いかに「心」というものが大事なのかということが分かります。ところが、ほとんどの人は心の大切さに気づかず、心を立派にしようなどということに関心を持ちません。しかし、まずは心を高めよう、心を美しくしようと思わなければならないのです。そうは言っても、我々は煩悩、欲にまみれた人間ですから、なかなかそうはなれない。けれども、「高めよう、美しくしよう」と思って反省する。この反省があるから、努力をしようと心がける。このことが人生にとっては大切なのです。また、会社というのは、トップの器量、トップの人格に合ったものにしかなりません。ダッハランドを立派にし、自分の人生を素晴らしいものにしようと思えば、自分の人間性を高め、人格を磨いていく、それ以外にはありません。

4.共鳴する

人の心ほどうつろいやすく頼りにならないものはないかわりに、ひとたび固い信頼で結ばれれば、これほど強く頼りになるものはありません。ダッハランドフィロソフィは人間としてこういう生きざまが正しいと思うということが基本になっています。このような生き方で人生を送っていけば、一人一人の人生も幸福になり、会社全体も繁栄致します。こうした考え方に共鳴していただいた社員の皆さんが人間のもつ無限の可能性を信じて、際限のない努力を続けてきたからこそ、今日のダッハランドの発展があるのです。ダッハランドがいつまでもすばらしい会社であり続けるために、そして一人一人がすばらしい人生を歩んでいくためにも、皆さんがダッハランドフィロソフィを真剣に受け止め体得し、実践していくことが何よりも大事なことなのです。フィロソフィでも経営計画でも、すべて社員の皆さんと共有し、共鳴して 賛同してもらうことが何よりも大事なことなのです。

5.「人間として正しいもの」を判断基準にする

組織にしても、財務にしても、利益の配分にしてもいわゆる経営の常識というものに頼らず、本来どうあるべきなのか、ものの本質に基づいて判断していれば、海外においても、また、バブル崩壊・昨今であればコロナ渦など、いまだかつて遭遇したことのない新しい経済状況にあっても、判断を誤ることはありません。ダッハランドの経営者は、世間一般の道徳に反することなく、人間として何が正しいのかという判断基準で物事を判断していかなければならないのです。つまり、どんな時代になろうとも、「人間として正しいものは何なのか」ということを基準として判断をしなければならないのです。つまり、常に「原理原則」に基づいて判断し、行動しなければなりません。

6.常にお客様に寄り添う

お客様に寄り添う事が商いの基本です。ダッハランドが、商品開発を怠らないのも、無理な納期や価格でも営業、開発、設置、サポートなどが一体となって対応するのも、お客様の視点で喜んでいただきたいからです。また、昨今の働き手不足の環境に配慮した無人店舗のビジネスは、「お客様のお客様である消費者や社会にも喜んでいただきたい」という一念があるからです。つまり、どんなことをしてでもお客様に寄り添うことが商いの基本であり、それが実現できれば利益を上げ続けることが出来ます。

7.ワンチーム(思いやり)で経営する

ダッハランドでは、人の喜びを自分の喜びとして感じ、苦楽を共にできる信頼関係を大切にしていこうとしています。このような関係は仲間が仕事で困っているときには、理屈なしで助け合え、プライベートなことでも親身になって話し合うことができます。会社の経営は、経営者と従業員、資本家と労働者という対立関係ではなくて、あたかも親子のような、兄弟のような、そういうあったかい人間関係で会社を経営していこう、互いに心から助け合っていこうということです。本来会社は家族とは全く異なるものです。経営者が会社に対する責任は有限ですが家族に対する責任は無限に近いものです。人の心をベースとした経営はとりもなおさず思いやりにみちたワンチーム経営が必要となります。

8.実力主義に徹する

組織を運営していく上で最も重要なことは、それぞれの組織の長に本当に力のある人がついているかどうかということです。本当に力のある人とは、職務遂行の能力とともに、人間として尊敬され、信頼され、みんなのために自分の力を発揮しようとする人です。こうした人が組織の長として場や機会を与えられ、その力を十分に発揮できるような組織風土でなければなりません。こうした実力主義によって組織の運営が行われれば、その組織は強化され、ひいてはみんなのためになっていきます。ダッハランドでは年功や経歴といったものではなく、その人がもっている真の実力がすべてを測る基準となっているのです。立派に仕事を遂行していける能力を持ち、同時に人間としても尊敬でき、信頼できる人、そういう実力を持った人が皆を引っ張ってくれ、事業を成功 に導いてくれるということが、 即ち全社員の物心両面の幸福を追求するということになるのです。

9.パートナーシップを重視する

ダッハランドでは創業以来、心の通じ合える、信頼できる仲間づくりを目指し、これをベースに仕事をしてきました。したがって社員どうしは、経営者と従業員という縦の関係ではなく、一つの目標に向かって行動を共にし、自らの夢を実現していく同士の関係、つまりパートナーシップという横の関係が基本となっているのです。権力や権威に基づく上下関係ではなく、志を同じくした仲間が心を一つにして会社を運営してきたことにより今日のダッハランドの発展があるのです。 これはパートナーとしてお互いを理解し合い、信頼し合える人間同士・仲間同士の結びつきとなったからこそ可能であったのです。信じ合える仲間として皆で経営し、個人の利益のためだけではなく、皆のためにも努力を惜しまず、一人ひとりが経営を行うパートナーとして、一緒に力を合わせて頑張っていくことが大切なのです。

10.一人一人がダッハランドの主役

全員が経営意識を持てるように、経営の情報は開示し参画出来る風土を築く

一人一人がダッハランドであることを意識し、日々経営が良くなるように考えて仕事に取り組む

誰もが自分の意見を言い、経営(舵取り)を考え、参画できる、そんな会社を目指すために
役割や肩書を超えたお互いの信頼関係を高めるための創意工夫を、継続して全員で行う。

11.ベクトルを合わせる

人間顔色が違うように、考え方も違います。そのような違った個性、考え方を持った人たちが集まって一つの会社を形づくり、経営していくわけですから、社員一人一人がバラバラな考え方に従って行動したら、それぞれの人の力の方向(ベクトル)がそろわなければ力は分散してしまいダッハランド全体の力とはなりません。このことは、野球やサッカーのような団体競技を見ればよく分かります。全員が勝利という目標に向かって心を一つにして、全員の力が同じ方向に結集した時、何倍もの力となって驚くような成果を生み出します。1+1が  5にも10にもなるのです。ベクトル (力の方向)を合わせるという経営において一番大事な要素は『考え方』でありダッハランドとしてはまず、社員全員の『考え方』を合わせるということ、また『進むべき方向』を合わせるということが大切です。つまり、全員で経営に参加し、ダッハランドの進むべき方向、目標を全員が同じように認識することが大切です。

12.独創性を重んじる

何としてもやり遂げなければという強い使命感を持ち、毎日毎日創意工夫を重ねていく、その一歩一歩の積み重ねが、やがてすばらしい創造へとつながっていく。独創性もユニークな技術も、 設備が充実しているから、立派な研究所があるから、あるいは一流大学を卒業した技術者がいるからといって、必ずしも生まれるものではありません。

ダッハランドでは目の前の課題に対して、仕事自体の背景にあるものをいつも共有し、チームで意見を言いあえる場をつくっています。

全員参加で課題解決することは、全員の成功体験となり、独創性を生み出す基となっていくのです。
その
一つひとつの経験が自信となって蓄積されていきます。つまり、あるものに成功すると、その技術を応用して別の新しいものが出来るというように、連鎖的に技術の応用が出来ます。「独創性」というと、難しいことに思えますが、毎日の「創意工夫の」積み重ねなのです。 ちょっとした工夫や改善を連綿として続けていきましょう。

13.ガラス張りで経営する

チームダッハランドをベースに仕事をするには、メンバーの一人でも「一部の上役だけがいい目を見ているのではないか、利益を独り占めしているのではないか」と思っていたのでは出来ません。またチームリーダーも迫力を持ち、勇気をもってチームを引っ張る為には、自分自身も会社も不正が無く、「公明正大である」と自信を持っていなければ出来ません。その為にダッハランドには、全員が何らの疑いをさしはさむ余地のないシステムが構築されていますこのように「ガラス張りで経営する」事で、一人一人が心をひらき、全員が全力で仕事に取り組むことが出来るのです。

14.高い目標をもつ

高い目標を設定する人には大きな成功が得られ、低い目標しかもたない人にはそれなりの結果しか得られません。自ら大きな目標を設定すれば、そこに向かってエネルギーを集中させることができ、それが成功のカギとなるのです。ダッハランドの一人一人が明るく大きな夢や目標を描いてこそ、想像もつかないような偉大なことが成し遂げられるのです。しかし、いつも高く掲げた目標ばかりを見ていてもダメなのです。あまりにも遠い道のりを歩こうと思うと飽きもするし、自分の力のなさを感じてしまって頓挫してしまいます。高く掲げた目標は潜在意識にしまっておいて、一日一日を着実に歩み続けると、途轍もない所まで歩いていけるものなのです。「一歩一歩の積み重ね」と「高い目標を掲げなさい」というのは、一見矛盾しているように見えますが、そうではありません。あくまでも高い目標を立てながらも、生き方は一歩一歩、足元を見ながら堅実に歩くことが肝心なのです。

15.素直な心を持つ

「素直な心」とは、自分自身のいたらなさを認め、そこから努力するという謙虚な姿勢のことです。 とかく能力のある人や気性の激しい人、我の強い人は、往々にして人の意見を聞かず、たとえ聞いても反発するものです。しかし本当に伸びる人は、素直な心をもって人の意見をよく聞き、常に反省し、自分自身を見つめることのできる人です。そうした素直な心でいると、その人の周囲にはやはり同じような心根をもった人が集まってきて、ものごとがうまく運んでいくものです。自分にとって耳の痛い言葉こそ、本当は自分を伸ばしてくれるものであると受けとめる謙虚な姿勢が必要です。そして、「素直な心」ということは進歩の親であり、このことは人生にとってたいへん重要なことであります。つまり、素直な心によって、ダッハランドの社員は成長・進歩していくのです。

16.常に謙虚であらねばならない

自分の能力やわずかな成功を鼻にかけ、傲慢不遜になるようなことがあると、周囲の人たちの協力が得られないばかりか、自分自身の成長の妨げにもなるのです。集団のベクトルを合わせ、良い雰囲気を保ちながら最も高い能率で職場を運営するためには、常にみんながいるから自分が 存在できるという認識のもとに、謙虚な姿勢をもち続ける事が大切です。経営者が率先垂範してそのような姿勢に努める事により、従業員が後に続くことができるのです。役職が高くなるほど謙虚になって従業員の中に入り、自ら懸命に仕事の夢などを語って聞かせ、職場に素晴らしい風土を作り上げるよう努力していくことがたいへん大切な事です。ダッハランドの経営者も従業員もそのような「謙虚な姿勢」を持つことで、ダッハランド内には素晴らしい人間関係が築かれ、それをベースとして、必ずダッハランドは発展を遂げていくはずです。

17.感謝の気持ちをもつ

社内に人の和がないと、お客様に喜んでいただけるものはつくれません。なぜなら、サービスにはそれをつくる人の心が反映されているからです。利己的な考え方では、社内に和をつくっていくことが出来ません。私たちが今日あること、そして存分に働けることは、お客様や取引先はもちろん、チームダッハランドの仲間、家族といった周囲の多くの人々の支援があるからなのです。決して自分たちだけでここまでこられたわけではありません。このことを忘れず、常に周囲への感謝の気持ちをもち、お互いに信じあえる仲間となって仕事を進めていくことが大切です。逆に、不平不満、愚痴というものは、必ず人生を暗くし、不幸にします。その不平不満、愚痴の対極にあるものがこの感謝であり、感謝をすることで、人生は素晴らしいものになっていくのです。それは、感謝の気持ちを持つことで自分の心が美しくなっていき、運命そのものが明るくひらかれていくからです。感謝する心が、幸運を呼び込むのです。


18.常に明るく

どんな境遇であっても、常に明るい気持ちで理想を掲げ、希望を持ち続けながら一生懸命努力を重ねることが大切です。人生はすばらしく、希望に満ちています。私には 「すばらしい人生がひらかれて「いる」と思い続けることが大切です。決して不平不満を言ったり、暗くうっとうしい気持ちを持ったり、ましてや人を恨んだり、憎んだり、妬んだりしてはいけません。 そういう思いを持つこと自体が人生を暗くするのです。自分の未来に希望をいだいて明るく積極的に行動していくことが、仕事や人生をより良くするための第一条件です。誰にでも明るい人生がひらかれているはずです。ダッハランドの社員一人一人がまずはそのことを信じ、誰にも負けない努力を重ねていけば、必ず素晴らしい未来が待っています。厳しい現実の中でつい負けそうになる自分を励ましながら、明るく振舞っていく。そのような姿勢こそが人生をひらいていくのです。

19.仲間のために尽くす

人の行いの中で最も美しく尊いものは、人のために何かをしてあげるという行為です。人はふつう、まず自分のことを第一に考えがちですが、実は誰でも人の役に立ち、喜ばれることを最高の幸せとする心をもっています。食と健康の未来に寄り添うためにも、仲間のために尽くすということは美しい心が行うものであり、また、それを行うことによってその人の心はさらに美しく、かつ純粋になっていきます。つまり、人格を向上させていくために、たいへん大事な行為であるわけです。そして、ダッハランドみんなで協力して、働く仲間の幸せをともに目指すためにも、代償を求めず仲間のために尽くすことが人間として一番大切であるということなのです。私たちは、仲間のために尽くすいう同士としてのつながりを持ってみんなの為にもう一歩を踏み出せば、素晴らしいチームダッハランドを築くことができるのです。

20.信頼関係を築く

上司と部下の関係であっても、信頼関係のベースがあれば、お互い本音で言いたいことをはっきり言いあうことができます。それによって、問題点が誰の目にも明らかとなって仕事がスムーズに運んでいくのです。こうした信頼関係を築くためには、日頃からみんなの心の結びつきを作り上げるよう、お互いに努力することが必要です。では、絆を強めるにはどうしたらいいのか。お互いに相手を知り合うということ、このことが、始まりであって終わりでもあります。そのために一番いい方法が、お客様の飲食店で皆さんと食事すること、そして、一緒にスポーツをすることなどです。例えば、マラソン・カヌー・ヨガなど、個々が日頃行っているスポーツで一緒に汗をかくことで、上司と部下ではなく、ともに一つの目標を目指すチームになっていくわけです。そんなふれあいを通じて絆が深まっていく。理屈を超えた人間関係を築いていくのです。つまり、自分もダッハランドという会社で働く仲間なのだ、という認識を深めてもらうために、スポーツ・食事会を重要視します。


21.完全主義を目指す

よく90%うまくいくと「これでいいだろう」と妥協してしまう人がいます。しかしそのような人には、完璧なサービスはとうていできません。「間違ったら消しゴムで消せばよい」というような安易な考えが根底にあるかぎり本当の意味で自分も周囲も満足できる成果を得ることはできません。一瞬の気の休まる間もないくらいの完全主義を貫きパーフェクトを狙っていかなければならない。これがモノ づくりの世界です。営業にしろ設置コンサルにしろ、最後の1%の努力を怠ったがために、受注を失ったり不良を出したりすることがあります。自分自身の努力をさらに実りあるものとするためにも、仕事では常にパーフェクトを求めなければなりません。実際、完全主義と言っても、人間ですから完全なことなどできるわけはありません。しかしダッハランドでは、それでも完全主義を貫いていこうという意識をもって努力していくことを大切にしています。

22.真面目に一生懸命仕事に打ち込む

ダッハランドの社員が本当に心から味わえる喜びというのは、仕事の中にこそあるものです。仕事をおろそかにして、遊びや趣味の世界で喜びを見出そうとしても、一時的には楽しいかもしれませんが、決して真の喜びを得ることはできません。精進するということは、真面目に一生懸命に努めるということでその結果として報酬が得られるばかりではなく、その人の人間性が向上し、人格が高まり、心を美しくするという第二の効果が得られるのです。スペシャリストと言われる人は、生涯を通じ、真面目に一生懸命仕事に打ち込んできたからこそ、その領域にまでいたったわけです。ただ少しくらい努力をしました程度では、そこまでなれるわけがありません。人格は、多くの知識を詰め込むだけでは向上せず、日々の労働を通じて向上させることができます。私達は一生懸命に働くことにより、生活の糧も得られ、人格も高めることができるのです。

23.継続するために工夫する

大きな夢や願望をもつことは大切なことです、しかし大きな目標を掲げても、日々の仕事の中では一見単純な作業と思われるようなことをしなければならないものです。どんなに偉大なことも、一歩一歩の努力の積み重ねでしか達成できません。賽の川原の石積みのように、一つ積んではまた次の石を積むという地味な作業の積み重ねです。しかしそれを繰り返しているうちに周りに人が集まってきます、その人達にも一つ一つ積んでもらい、その周りの人にもまた積んでもらう。そうすると会社が大きくなっていくに従って末広がりに仲間が増えていき何人もの人が積むような会社になっていきます。ダッハランドの社員一人がやれる仕事というのは知れていますが大勢が一致団結して取り組むことによって、やがては偉大なことを成すことができる。偉大なことは最初からできるのではなく、継続するために工夫する一歩一歩の積み重ねがあってはじめてできるということを忘れてはなりません。

24.日々の創意工夫をする

どんな偉大なことも、地味な一歩一歩の努力の積み重ねでしか達成できません。そうは言うものの、地味な仕事を毎日毎日繰り返していると、飽きてきてだんだん嫌になってきます。そこで嫌にならないコツでもあり、同時に、地味な努力を加速させていく方法があります。それは「創意工夫をする」ということです。創意工夫と言えば難しそうに聞こえますけれども、それは、今日よりは明日、明日よりは明後日と、必ず改良改善を加えていくということです。創意工夫をしながらやっていくと、たとえ地味な単純な作業であっても、昨日よりは今日と少しずつ向上していきますから、仕事の面白味も変わっていきます。結果として、このことは、仕事に飽きないようにするための工夫にとどまらず、やがては大きな飛躍をもたらしてくれるのです。ダッハランド全員が少しずつでもいいから工夫をする、この集積が、人間性を善くするNo.1 「提案力」構築のベースとなっていくのです。

25.自ら燃える

物には可燃性、不燃性、自燃性のものがあるように、人間のタイプにも火を近づけると燃え上がる可燃性の人、火を近づけても燃えない不燃性の人、自分でカッカと燃え上がる自燃性の人がいます。何かを成し遂げようとする人は、自ら燃える情熱をもたなければなりません。高校野球では、心から野球の好きな若者たちが、甲子園という大きな目標を目指し、一丸となって生き生きと練習に励んでいます。その姿には、未来への可能性とエネルギッシュな躍動が感じられます。 彼らは自ら燃える自燃性の集団なのです。自ら燃えるためには、自分のしていることを好きになると同時に、明確な目標をもつことが必要です。ダッハランドのなかで、あっちでも火が燃えている、こっちでも燃えているというように、自分から燃えてくれる人間が何人いるかで、会社の善し悪しは決まってきます。いかにして「燃える人」を作るかということが、経営を左右するカギとなってくるのです。

26.仕事を好きになる

仕事をやり遂げるためには大変なエネルギーが必要です。そしてそのエネルギーは、自分自身を励まし、燃え上がらせることで起こってくるのです。そこで、自分が燃える一番良い方法は仕事を好きになることです。どんな仕事であっても、全力を打ち込んでやり遂げれば、大きな達成感と自信が生まれ、また次の目標へ挑戦する意欲が生まれてきます。その繰り返しの中で、さらに仕事が好きになります。そうなればどんな努力も苦にならなくなり、すばらしい成果を上げることができるのです。こうした心境にまで高まってはじめて本当にすばらしい仕事を成し遂げることができます。また、好きになれば苦労など感じません。嫌々やっていると、どんなことでも辛く感じるものです。そして 「好きこそものの上手なれ」というように、このことがものごとの上達をも促すのです。この「仕事を好きになる」ということは、ダッハランドで大きな仕事を成し遂げるために一番大切なことと思います。

27.渦の中心になれ

「渦の中心になれ」とは、社内から上がってきたテーマや問題意識に対し、命令で周囲を動かすのではなく、自らが積極的、能動的に働きかけ、周囲の仲間を巻き込むことで、その解決のための渦を作り出し、そして、その中心となって皆をリードしていくことです。仕事は自分一人で出来るものではなく、周囲の人たちと協力し合ってやっていくものです。自分から積極的に仕事を求めて 働きかけ、周囲から自然に協力が得られる状態を作っていかなければならないのです。そして、 その中心でリーダーシップを発揮し、仕事をしていくことで、本当の仕事の喜びが味わえ、自分自身も大きく成長します。こういう渦があちらこちらにあり、渦を作っていく社員が多くいる会社であれば、活力があって、発展していくのです。

28.率先垂範する

仕事をする上で、部下やまわりの人々の協力を得るためには、率先垂範でなければなりません。 人の嫌がるような仕事も真っ先に取り組んでいく姿勢が必要です。どんなに多くの、どんなに美しい言葉を並べたてても、行動が伴わなければ人の心をとらえることはできません。自分が他の人にしてほしいと思うことを、自ら真っ先に行動で示すことによって、まわりの人々もついてくるのです。率先垂範するには勇気と信念がいりますが、これを常に心がけ実行することによって、自らも高めていくこともできるのです。ダッハランドで上に立つ人はもちろんのこと、すべての人が率先垂範する職場風土を作り上げなければなりません。リーダーにとって一番大切なのは、社員の先頭を切って自分も仕事をし、苦労するという勇気です。人をアゴで使って自分は偉そうにしているのではなく、率先垂範していくリーダーとならなければならないのです。

29.自らを健全に追い込む

「自らを健全に健全に追い込む」 とは、困難な状況に遭遇しても、決してそこから逃げずに、もがき苦しむ中で、何としてもという気力と切迫感があると、普段見過ごしていた事に気づき、解決の糸口が見つけられるという事です。火事場の馬鹿力という言葉があるように、切羽詰まった状況の中で、真摯 な態度で物事に挑戦する事によって、人は普段では考えられないような力を発揮する事が出来ます。人は易きにつくと言いますが、常にこれ以上後に引けないという精神状態に自らを追い込んでいく事によって、自分でも驚くような成果を生み出すことができるのです。 正に、人事を尽くして天命を待つという事です。

30.土俵の真ん中で相撲をとる

常に土俵の真ん中を土俵際だと思って、一歩も引けないという気持ちで仕事にあたるということです。納期というものを例にとると、お客様の納期に合わせて仕事を完成させると考えるのではなく、納期の何日も前に完成日を設定し、これを土俵際と考えて、渾身の力をふり絞ってその期日を守ろうとすることです。そうすれば、万一予期しないトラブルが発生しても、まだ土俵際までには余裕があるため、十分な対応が可能となり、お客様に迷惑をおかけすることはありません。このようにダッハランドの社員は、常に安全弁をおきながら、確実に仕事を進めていく必要があります。土俵際に追い込まれてようやく全力を出すのではなく、真ん中にいる間に大技をかける。 余裕のあるときに全力でことにあたる。大技をかけようと思うなら絶好調のときにかける、これが 「土俵の真ん中で相撲をとる」という意味なのです。

31.常に創造的な仕事をする

与えられた仕事を生涯の仕事として一生懸命行うことは大切ですが、ただそれだけでよいということではありません。一生懸命取り組みながらも、常にこれでいいのか、ということを毎日毎日考え、反省し、そして改善、改良していくことが大切です。決して昨日と同じことを漫然と繰り返してはいけません。毎日の仕事の中で「これでいいのか」ということを常に考え、同時に「なぜ」という 疑問をもち、昨日より今日、今日よりは明日と、与えられた仕事に対し、改善改良を考え続けることが創造的な仕事へつながっていきます。こうした繰り返しによって素晴らしい進歩が遂げられるのです。すなわち、「常に創造的な仕事をする」ことが、中小企業から中堅企業へ、また、中堅企業から大企業へと脱皮していくにあたり、最も基本的な手段となるのです。

32.利他の心を判断基準にする

私たちの心には「自分だけがよければいい」と考える利己の心と、「他の人を助けよう」とする利他の心があります。利己の心で判断すると、自分のことしか考えていないので、誰の協力も得られません。自分中心ですから視野も狭くなり、間違った判断をしてしまいます。一方、利他の心で判断すると「人によかれ」という心ですから、まわりの人みんなが協力してくれます。また視野も広くなるので、正しい判断ができるのです。ダッハランドでより良い仕事をしていくためには、自分だけのことを考えて判断するのではなく、まわりの人のことを考え、思いやりに満ちた「利他の心」に立って判断をしましょう。「相手のためになることをしようと思う心、それが利他の心」であり、あらゆる局面で大切な判断基準となります。

33.有意注意で判断力を磨く

目的を持って真剣に意識を集中させることを有意注意といいます。ダッハランドで働く仲間はどんなときでも、どんな些細なことであっても気を込めて取り組まなければなりません。意識的にこれを続けていると、この有意注意が習慣になってきます。そうなれば何か問題が起きても、すぐにその核心をつかみ、解決が出来るようになります。大して重要でない問題に対しては「こんなもので いいだろう」と簡単に事を済ませてしまったりするのではなく、どんなに些細なことでも、ど真剣に考えるような人は、感覚が研ぎ澄まされていきますからいつでも迅速に、的確な判断が下せるようになっています。それは頭の良し悪しではなく、どんなに些細なことでも真剣に考えることによって可能になることです。最初のうちは頭の回転も遅く、あれこれ迷いながら考えていても、それを十年、二十年と繰り返しているうちに素晴らしい冴えを発揮できるようになっていきます。

 34.公私のけじめを大切にする

仕事をしていく上では公私のけじめをはっきりつけ、日常ちょっとした心の緩みに対しても自らを厳しく律していかなければなりません。プライベートなことを勤務時間中に持ち込んだり、仕事上の立場を利用して取引先の接待を受けたりすることは厳に慎まなければなりません。ダッハランドでは勤務時間中に私用電話の受発信や仕事を通じてのいただきものを個人のものとする様な行為を決して許してはいけません。日頃から小さな不正を黙認していれば、その従業員は卑しい人間に育ってしまいます。些細な公私混同でもモラルの低下を引き起こし、遂には会社全体を毒する事になります。会社の立場を利用して個人的に利益を得ると言うことは、仲間に対する「背任 行為」です。心をベースにした経営を目指し、社員同士の結び付きを大切にして「公私のけじめ」を心に留め置くことは非常に大切なことであります。

35.潜在意識にまで透徹する強い持続した願望をもつ

高い目標を達成するにはこうありたいという強い持続した願望をもつことが必要です。何としてもやり遂げたいという思いを心に強烈に描くのです。純粋で強い願望を寝ても覚めても、繰り返し繰り返し考え抜くことによって、それは潜在意識にまでしみ透っていくのです。そうすればどんなときでも潜在意識が働いて強烈な力を発揮しその願望を実現する方向へと向かわせてくれるのです。強調したいことは強く持続した願望をもつということであり、言い換えれば、人生をこう生きたい、ダッハランドをこうしたいということを強く継続して思い続けるということです。そうすることによって初めて潜在意識にまで願望を透徹させることができるのです。潜在意識を日常的に使えるようにするには、強く持続して意識し覚え込ませるのです。どんな艱難辛苦が待ち受けようともくじけない、岩をも通すような一念でやり遂げてみせる。そのように純粋に思い続けることが成功の源なのです。

36.人間の能力は無限に拡がる

仕事において新しいことを成し遂げられる人は、自分の可能性を信じることのできる人です。現在の能力を持って「できる、できない」を判断してしまっては、新しいことや困難なことなどできるはずもありません。人間の能力は、努力し続けることによって無限に拡がるのです。何かをしようとしたとき、まず「人間の能力は無限である」ということを信じ、「何としても成し遂げたい」という強い願望で努力を続けることです。常に自分自身のもつ無限の可能性を信じ、勇気をもって挑戦するという姿勢が大切です。能力は進歩するのです。能力が進歩しないのは磨かないからであって、今からでも磨く努力をすればいい。それはダッハランドの皆さんが地道な努力を積み重ねていくことです。このことが能力を無限に進歩させていくのです。

37.チャレンジ精神をもつ

人はえてして変化を好まず、現状を守ろうとしがちです。新しいことや困難なことにチャレンジせず、現状に甘んじることは、すでに退歩が始まっていることを意味します。チャレンジというのは高い目標を設定し、現状を否定しながら常に新しいものを創り出していくことです。チャレンジという言葉は勇ましく非常にこころよい響きをもつ言葉ですが、これには裏付けが必要です。いかなる困難にも立ち向かう勇気とどんな苦労もいとわない人一倍の忍耐力と努力が必要なのです。 どんな障害にぶち当ろうとも、それを乗り越えて努力を続けていくチャレンジをしていきましょう。新しいことを成し遂げるには、「何があってもこれをやり遂げるのだ」という貪欲さと強い闘争心が必要なのです。自分達にはとてもできないと言われた難しいものをつくるというチャレンジの連続でダッハランドを若々しく魅力ある会社にしていくのです。

38.開拓者であれ

開拓するということは大変な苦労が伴いますが、反面これをやり遂げたときの喜びは何ものにも代えがたいものがあります。このような未踏の分野の開拓によって、すばらしい事業展開ができるのです。人が大勢歩いてきた道には、もう何も残っておらず、それより泥田のあぜ道のほうが、新しい発見もあって面白いのです。あぜ道には、道路標識も当然なく、まさに海図も羅針盤もない状態で人の歩まぬ道を歩き続ける、つまり、そこで判断を強いられる、教えを乞うことなく、自分で考えなければなりません。この時に、何が自分にとって「善」なのか、あるいは何が本当の「利他」なのかということを考えなければなりません。たとえば、「楽だから」この道を選ぶのは、それは利己で判断しているわけです。ダッハランドの社員はいかに難しい道であっても善か悪か、利己か利他かという基準で判断を行い開拓していかなければなりません。

★現在の事業がうまくいっている内に新しい事業に取り組んでいく。お客様との会話の中から拾えるものもあるという意識を持つ。前人の答えに沿うだけではなく、新しいことにチャレンジするという意識を持つ。「善」「利他」という考えを常に持つ。自分の言いたいことではなく、相手の求めていることを伝える意識

39.もうダメだというときが仕事のはじまり

ものごとを成し遂げていくもとは、才能や能力というより、その人のもっている熱意や情熱、さらには執念です。すっぽんのように食らいついたら離れないというものでなければなりません。もうダメだ、というときが本当の仕事のはじまりなのです。強い熱意や情熱があれば、寝ても覚めても四六時中そのことを考え続けることができます。それによって願望は潜在意識へ浸透していき、自分でも気づかないうちに、その願望を実現する方向へと身体が動いていって、成功へと導かれるのです。例えば業界に先駆けた新製品開発の成功率100%というと、到底できない事のようですが、それを可能にするのは「成功するまでやる」だけの事です。ダッハランドの仲間であれば「もうダメだというときが仕事のはじまり」という考え方を基本に持ち、「諦める」ということがあってはなりません。製品開発でも新規顧客開拓でも事業経営でも、とことんやり抜くのです。 

40.真の勇気をもつ

仕事を正しく進めていくためには勇気が必要です。ふだん私たちは、周囲の人から嫌われまいとして、言うべきことをはっきり言わなかったり、正しいことを正しく貫けなかったりしてしまいがちです。ダッハランドの社員が持つべき真の勇気とは、自らの信念を貫きながらも、節度があり、怖さを知った人、つまりビビリを持った人が場数を踏むことによって身につけたものでなければなりません。ここでいう勇気とは蛮勇、つまり粗野で豪傑といわれる人の持っている勇気のことではありません。仕事を誤り無く進めていく上で、要所要所で正しい決断をしていく、その決断の場面で必要となる勇気のことです。そして場数を踏むことで度胸を身に付け、いざという場面で度胸を決めて、逃げずにその勇気を奮い起こすのです。信念、決意、責任感、使命感、そういうものがあれば、人間には何ものにも屈しない勇気が湧いてくるのです。

41.闘争心を燃やす

仕事は真剣勝負の世界であり、その勝負には常に勝つという姿勢でのぞまなければなりません。しかし、勝利を勝ち取ろうとすればするほど、さまざまなかたちの困難や圧力が襲いかかってきます。このようなとき、私たちはえてして、ひるんでしまったり、当初抱いていた信念を曲げてしまうような妥協をしがちです。こうした困難や圧力をはねのけていくエネルギーのもとはその人のもつ不屈の闘争心です。闘争心といっても、「相手を打ち負かす闘争心」ではありません。実際は、一生懸命に努力をした者、誰にも負けないような努力をした者が世の中に適応して生き残り、努力しなかった者は絶えていく、この適者生存こそが自然界の掟なのです。 ダッハランドの社員が持つべき闘争心とは、相手を倒すためのものではなくて、自分が精一杯に生きていくためのものでなければなりません。

42.有言実行でことにあたる

「有言実行」とは、まず自らが手を挙げて「これは自分がやります」と名乗りをあげ、自分が中心となってやることを周囲に宣言してしまうのです。そう宣言することで、まわり と自分の両方からプレッシャーをかけ、自分自身を奮い立たせるとともに、自らを追い込んでいくことによって、目標の達成がより確実となるのです。つまり、有言実行とは、言葉を実行のエネルギーに変換するという作業です。

また「私はこうしたい」と公言することは、自分自身に対する約束にもなるわけです。 「約束」は、「全うしなければならない」という責任を伴います。人に言われて渋々やるのと、自分から進んで「こうしたい」と宣言した場合とでは、結果は全く違うはずです。 ダッハランドの幹部も社員も自分から進んで目標を公言する、そのような光景が見られれば、雰囲気も明るく前向きとなり、業績も素晴らしいものになります。

43.見えてくるまで考え抜く

最初は夢や願望だったものが、真剣にこうして、ああしてと何度も何度も頭の中でシミュレーションを繰り返していると、ついには夢と現実の境がなくなり、まだやってもいないことまでが、あたかもやれたかのように感じられ、次第にやれるという自信が生まれてきます。これが「見える」 という状態です。例えば、サービス開発において「見える」状態 まで考え抜くと、実際に開発を行っていないのにサービスの完成した姿が見えてくる。ダッハランドの開発者は、顧客が要求する基準以上の手の切れるようなサービス(性能だけではなく色も形状も非の打ちどころがないという完璧なサービス)を作らなければならないが、そのプロセスとして「見えてくるまで考え抜く」ことが必要です。それは、白黒で見る程度ではなく、 カラーでありありと見えるまで徹底的に考え抜けば、サービス開発だけにとどまらず、どのような仕事であっても、必ず成功するはずなのです。

44.成功するまで諦めない

成功するかしないかは、その人のもっている熱意と執念に強く関わっています。何をやっても成功しない人には熱意と執念が欠けているのです。体裁のいい理由をつけ、自分を慰め、すぐ諦めてしまうのです。なにかを成し遂げたいときには、狩猟民族が獲物を捕らえるときのような手法をとることです。つまり獲物の足跡を見つけると、槍一本をもって何日も何日も追い続け、どんなに雨風が吹こうと、強敵が現れようと、その住処を見つけ、獲物が休息をとり、寝ているところまでひたすら追っていく、捕まえるまでは決して諦めないというような生き方です。自分が立てた目標まで諦めずに粘って粘って努力を続ける、このような姿勢がダッハランドの社員にはたいへん大事です。成功するには、目標達成に向かって粘って粘って最後まで諦めずにやり抜く、その粘りがあれば、必ず目標は達成できます。

45.一日一日をど真剣に生きる

人生はドラマであり、一人一人がその主人公です。大切なことは、そこでどういうドラマの脚本を描くかです。運命のままにもてあそばれていく人生もあるかもしれませんが、自分の心、精神というものをつくっていくことで、また変えていくことで、思いどおりに書いた脚本で思いどおりの主人公を演じることもできるのです。人生というのは、自分の描き方のひとつです。ボケっとして生きた人と、真剣に生きた人とでは、脚本の内容はまるで違ってきます。たった一回しかない人生の中で、一日一日をどのくらい真剣に生きるのか。 それがダッハランドの働く仲間一人一人の価値をつくっていくのです。 一日一日を蔑ろにすることなく、ど真剣に考えながら生きていかなければなりません。それが我々と宇宙との、また神様との約束事だろうと思います。だからこそ、誰にも負けない努力が必要なのです。

46.小善は大悪に似たり

上司と部下の関係でも、信念もなく部下に迎合する上司は、一見愛情深いように見えますが、結果として部下をダメにします。これを小善といいます。「小善は大悪に似たり」と言われますが、表面的な愛情は相手を不幸にします。逆に信念をもって厳しく指導する上司は、長い目で見れば部下を大きく成長させることになります。これが大善です。 真の愛情とは、どうあることが相手にとって本当に良いのか を厳しく見極めることなのです。 一方「大善は非情に似たり」これは、大善を行う事は、一見、薄情な行為に映るということを表しています。非情と思えるその行為こそが、大善なのです。 優しい心で社員に接しなければと思いながら、一方では矛盾するかのように、烈火のごとく部下を叱る自分。真面目に働いてくれている社員もいるのに、会社を潰すような人もいる。それを許してしまえば、大きな罪をなすことになる。叱るべきときは、ダッハランドのリーダーであれば心を鬼にして叱ろう。それが大善なのです。

47.反省ある人生をおくる

ダッハランドの皆さんが自分自身を高めようとするなら、日々の判断や行動がはたして「人間として正しいものであるかどうか、奢り驕ぶりがないかどうか」を常に謙虚に厳しく反省し、自らを戒めていかなければなりません。 本来の自分に立ち返って、 「そんな汚いことをするな」、 「そんな卑怯な振る舞いはするな」 と反省を繰り返していると、間違いをしなくなるのです。忙しい日々をおくっている私たちは、つい自分を見失いがちですが、そうならないためにも、意識して反省する習慣をつけなければなりません。そうすることによって、自分の欠点を直し、自らを高めることができるのです。 反省を繰り返し、常に純粋にしていなければ素晴らしい考え方、素晴らしい人格、そういうものを維持していくことは不可能です。ましてや、人格を向上させることなどできません。心を純粋にして、自分の行動を善の方向へ向けていくためにも「反省」は欠かせないものです。謙虚な人だけが幸福になれるのです。

48.目標を周知徹底する

目標を達成するためには、その目標が全員に周知徹底されていなければなりません。つまり全員が目標を共有化し、自分たちのものになっていることが必要なのです。営業部門でもサービス部門でも、当月の [売上]や [導入台数]、 [粗利率]、[損益]などの数字が全員の頭にしっかり入っていて、職場の誰に聞いても即座にその数字が口をついて出てこなければいけません。ダッハランドの[部門 別損益]の考えでは、目標を各部門全員に周知徹底し、共有化を図ることによって一人一人の参画意識が高まり、これが一丸となって目標達成に向かうエネルギーとなるのです。ダッハランドでは、決算内容をはじめ情報がオープンになっています。つまり、目標だけでなく現状や結果も全て報告しています。これにより、透明性の高い経営となり、従業員みんなが経営者マインドを持ち、経営者としての意識を持って、仕事に取り組んでいけるのです。

49.採算意識を高める

「採算意識」とは、 「原価意識」ということです。つまり、仕事をする以上は、すべてに対し原価意識をもって仕事をする必要があります。「採算を合わせる」と言えば、即 「利益を得る」という意味にとられがちですが、そうではありません。それは常に「原価を考える」 ということであって、このことが採算を向上させる鍵になるのです。仕事を していくなかで、コスト、つまり原価はどうなっているのかを考えずに、経営がうまくいくことはないはずです。そのような意識は、ダッハランドでの仕事にとどまらず、何を見ても「この商売はうまくいっているのだろうか」 と、すぐに試算を始めるくらい強いものでなければいけません。仕事中でも、遊んでいるときでも、常に原価意識を働かせて物事を見る。そうすれば、ビジネスチャンスはぐっと広がって来るのです。原価意識を浸透させ、原価に対して敏感な従業員を一人でも多くつくることが、会社の採算を向上させることに直結するのです。

50.倹約を旨とする

私たちは余裕ができると、ついつい「これくらいはいいだろう」とか、「何もここまでケチケチしなくても」というように、経費に対する感覚が甘くなりがちです。ひとたびこのような甘い感覚が身についてしまうと、状況が厳しくなったときに、あらためて経費を締めなおそうとしても、なかなか元に戻すことはできません。ですから、ダッハランドの社員はどのような状態であれ、常に倹約を心がけなければなりません。出ていく経費を最小限に抑えることは、ダッハランドの社員一人一人にできる最も身近な経営参加であるといえます。現在は過去の結果、将来は今後の努力で決まる。今日うまくいったからといって明日の保証はありません。今日を頑張り、明日も頑張り、エンドレスに 際限もなく努力を続けなければならないのです。「倹約を旨とする」という考え方は、中小零細企業にのみ必要なものではなくて、どれほど立派な大企業に成長しようとも変わらず持ち続けていかなければならないものなのです。

51.現場主義に徹する

図面を書いて営業・導入の準備をしっかりしたつもりでも、現場では思うように製品が組み立てられない事があります。 店舗の導入案件で予定 通りに進まない事があります。サービスに対してお客様から、そんなはずはないと思うようなクレームが寄せられる事があります。 何か問題が発生したとき、まず何よりもその現場に立ち戻る事が必要です。現場を離れて机上でいくら理論や理屈をこねまわしてみても、決して問題解決にはなりません。よく「現場は宝の山である」と言われますが、現場には問題を解くためのカギとなる生の情報が隠されています。絶えず現場に足を運ぶことによって、問題解決の糸口はもとより、生産性や品質の向上、新規受注などにつながる思わぬヒントを見つけ出すことができるのです。現場主義は製造やサービス工事、営業に限らず、ダッハランドのすべての部門にあてはまることです。

52.手の切れるようなサービスをつくる

サービスは常に、「手の切れるようなサービス」でなくてはなりません。それは、たとえばまっさらなお札のように、見るからに鋭い切れ味や手ざわりを感じさせる素晴らしいサービスのことです。サービスにはつくった人の心があらわれます。ラフな人がつくったものはラフなものに、繊細な人がつくったものは繊細なものになります。たくさんのサービスをつくって、その中から良品を選ぶというような発想では、決してお客様に喜んで頂けるようなサービスはできません。完璧な作業工程のもとに、一つの不良も出さないよう全員が神経を集中して作業にあたり、一つ一つが完璧であるサービスづくりを目指さなければなりません。「手の切れるようなサービス」というのは、最高の品質をもった完璧なダッハランドサービスということです。これはサービスの話だけではなく、社員の立ち居振舞いに対しても言えることで、ダッハランドの社員一人一人の立派な振舞いを通じて、社風にも品格が備わり、いわば“手の切れるような会社”とならなければなりません。

53.製品・サービスの語りかける声に耳を傾ける

問題が発生したときや、 仕事に行き詰ったときには、その対象となるものや事象を真剣にそして謙虚に観察し続ける事が重要です。 すなわち「サービスの語りかける声に耳を傾ける」ということです。開発現場で問題にぶち当たった時には製品や機械、原材料、治工具にいたるまで、工程全体をすみずみまで観察し、素直な目で現象をじっと見つめなおすことです。不良品や整備の悪い機械があれば、その泣き声が聞こえてくるはずです。サービスそのものが、解決のヒントを語りかけてくれるのです。先入観や偏見をもつことなく、あるがままのダッハランドサービスの姿を謙虚に観察する事が大切なのです。 「サービスの語りかける声に耳を傾ける」ためにはダッハランドサービスへの深い思い入れが必要です。深い思い入れがあって、はじめて声を聞く事ができます。 ダッハランド製品・サービスに限りない愛情を注がなければ、良いサービスはできないのです。

 54.売上を最大に、経費を最小に

経営とは非常にシンプルなもので、その基本はいかにして売上を大きくし、いかにして使う経費を小さくするかということに尽きます。利益とはその差であって、 結果として出てくるものにすぎません。 企業として社会的な貢献をしたり、または株主に配当等で報いていこうと思えば、従業員は会社が払う人件費よりも遥かに高い価値を生み出していかなければなりません。 したがってダッハランドの社員はいつも売上をより大きくすること、 経費をより小さくすることを考えていればよいのです。 売上を最大にするためには、お客さんに買っていただくために、一生懸命に売り込む、この一点につきます。 経費を最小にするための一つが経費項目の細分化です。 経費を減らしなさいと大号令をかけると同時に、当の本人が具体的に気がつくぐらいに、細かく分解した経費項目で見ていくことが、 経費を最小にするための秘訣であり経営の要なのです。

55.フェアプレイ精神を貫く

「フェアプレイ」とは、 「公正」という意味です。 つまり、新しいことを成し遂げるために「公正さを尊ぶ」 ということ、 「正しいことを正しく貫く」 ということを規律の中心に置くことです。 不正なことは、一切してはならない。 これはトップの社長から従業員まで、全従業員が徹底しなければならないことなのです。 大事なことは、この「フェアプレイ精神」 をダッハランドに深く定着させるということです。 公正さを尊ぶ精神を規律の中心に置き、「ダッハランドはこういうやり方でいきます」と、 社内外に明確に示す必要があるのです。

同時に、「こういうことはしてはいけない」 というルールも具体的に挙げて、 その規律に付け加えなければなりません。そして、大事なことは、誰であろうと会社のなかの矛盾や不正に気付いたら、正々堂々と指摘すべきだ、ということです。

56.楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に行動する

新しいことを成し遂げるには、まずこうありたいという夢と希望をもって超楽観的に目標を設定することが何よりも大切です。天は無限の可能性を与えているということ信じ、必ずできると自らに言い聞かせ自らを奮い立たせるのです。しかし計画の段階では何としてもやり遂げなければならないという強い意志をもって悲観的に構想を見つめ直し、起こりうる全ての問題を想定して対応策を慎重に考え尽くさなければならないのです。そうして実行段階においては必ずできるという自信をもって楽観的に明るく堂々と実行していくのです。 まずは難しいことを考えず超楽観的に捉えることが大事なのです。計画を立てるときはマイナスの要因を全部ださせ難しさを十分理解して改めて計画を練るのです。決めたら腹をくくり、どんな困難が待ち受けようとも明るく楽観的に実行していく。ダッハランドの社員は一度やると決めたら自分の逃げ道をなくし、前向きに仕事を進めていくのです。

57.値決めは経営である

経営の死命を制するのは値決めです。値決めにあたっては、利幅を少なくして大量に売るか、それとも少量であっても利幅を多く取るのか、その価格設定は無段階でいくらでもあるといえます。どれくらいの利幅を取った時に、どれだけの量が売れるのか、またどれだけの利益が出るのかということを予測するのは非常に難しいことですが、製品の価値を正確に認識した上で、量と利幅との積が極大値になる一点を求めることです。その点はお客様にとってもダッハランドにとっても、ともにハッピーである値でなければなりません。この一点を求めて値決めは熟慮を重ねて行わなければならないのです。値決めとはお客さmaが喜んで買ってくれる最高の値段を決める ことなのです。ただしこの値段は「市場で通用する最高の値段」で設定しなければなりません。この値決めは経営の最重要な仕事です。

58.能力を未来進行形でとらえる

新たな目標を立てるときには、あえて自分の能力以上のものを設定しなければなりません。今はとてもできそうにないと思われる高い目標を未来の一点で達成するということを決めてしまうのです。そしてその一点にターゲットを合わせ、現在の自分の能力をその目標に対応できるようになるまで高める方法を考えるのです。今できないものを何としても成し遂げようとすることからしか高い目標を達成することはできないのです。能力を未来進行形でとらえるという言葉も、自分は無限の可能性を持っているということを表現しているのです。人間の能力は未来に向かってどんどん伸びていくことを前提にして自分の人生を設計しなさいということです。人類の進歩発展というものは全て「能力を未来進行形でとらえるからこそ、進歩・発展はある」と言ってもいいくらいです。ダッハランドの皆さんは自分の能力を卑下することなく、可能性を信じて諦めずにやり抜けば必ず道は開けてきます。

59.私心のない判断を行う

何かを決めようとするときに、少しでも私心が入れば判断はくもり、その結果間違った方向へいってしまいます。人はとにかく、自分の利益となる方向に偏った考え方をしてしまいがちです。みんなが互いに相手への思いやりを忘れ、「私」というものを真っ先に出していくと、周囲の協力も得られず、仕事がスムーズに進んでいきません。 また、そうした考え方は集団のモラルを低下させ、活動能力を鈍らせることにもなります。ダッハランドの社員は日常の仕事にあたって、自分さえよければという利己心を抑え、人間として正しいか、 私心をさしはさんでいないかと、常に自問自答しながら物事を判断していかなければなりません。端的に言うと、「自分というものを無にして物事を考える」、もっと端的に言えば、 「自利利他をもとに物事を考える」、ということ、これが 「私心のない判断を行う」という意味です。

60.ものごとの本質を究める

私たちは一つのことを究めることによって初めて真理やものごとの本質を体得することができます。究めるということは一つのことに精魂込めて打ち込み、その核心となる何かをつかむことです。一つのことを究めた体験は、そのほかのあらゆることに通じます。ダッハランドの社員は一見してどんなつまらないと思うようなことであっても与えられた仕事を天職と思い、それに全身全霊を傾けることです。それに打ち込んで努力を続ければ、必ず真理が見えてきます。いったんものごとの真理が分かるようになると、何に対しても、またどのような境遇に置かれようと、自分の力を自由自在に発揮できるようになるのです。 禅宗のお坊さんが座禅をして悟りを開くのと同じこと です。つまり「一つの仕事に打ち込むこと」が修行であるわけです。